ちょっとした不思議体験
こんにちは、ぱいたん(@paitanblog)です。知らない人からよく声をかけられます。
先日、テイクアウトしたコーヒーを青空の下で飲みつつボケーーーっとしていた時のこと。
完全に気を抜いていた僕は、ふいに死角から現れた女性に声をかけられました。
こんにちは~、ちょっと今お時間よろしいですか?
・・・んぉ? へぁっ!?(変な声が出た)
はいはい、なんでしょう?
あの・・・たとえば肩が凝ってるとか、腰が痛いとか、どこか体の不調があったりしませんか?
えっ、・・・えっ・・・?
(なになになに怖い怖い怖い)
私、ちょっとした習い事のようなことをしていて、その昇格試験が今日あるんです。
試験の前にもう少し練習しておきたくて、どなたか練習に付き合ってくださる方を探していて・・・
あー、そうなんですか・・・
ふむ、なるほどなるほど・・・
(なかなか核心を話さないな・・・)
で、僕は何をすれば・・・?
じつは、患部に手をかざすだけで痛みを取るっていう、まぁその、練習をしていまして・・・。
ほんの30秒ほどで済むんですが・・・
!? !? !? !?
手をかざすだけで痛みを取る・・・だと・・・?
あー、はいはい! アレね。
僕は知ってますよ。
それ、魔法っていうやつでしょ?
即座に頭をフル回転させて考えてみたけど、まぁ普通に考えれば無理ですよね。
その場ですぐに断って逃げることも考えましたが、その反面、どうやって施術するのかは非常に興味がありました。
妙に触ってくるようなら怖いし、目をつぶったりするなら盗難とかにも気を付けないとな・・・と思いつつ、
「この人は、今までどれだけの人に断られてきたのだろうか・・・」とか、
「この誘いのせいで、友人をなくしたりしていないだろうか・・・」とか、
「みんなから怪しまれたり断られたりしながらも、懸命に協力者を探してるんだろうな・・・」とか、
おばちゃんのこれまでに思いを馳せるとなんだか妙に情がわいてしまったので、警戒は解かないようにしつつ、ためしに施術を受けてみることにしました。
施術スタート
わぁ、ありがとうございます!(満面の笑顔)
どこか痛かったり凝ってたりするところ、ありますか?
じゃ・・・じゃあ、肩が凝ってるので、とりあえず左肩を・・・
わかりました!
では手をかざしますので、しばらく体勢はそのままで、リラックスしててくださいね~
はーい
(ごめんおばちゃん、リラックスは無理やわ)
僕の左肩に向けてゆっくりと動く、おばちゃんの手。
何をされるのかとビクビクしていましたが、最初に聞いていた通り、本当に患部に手をかざすだけでした。
そのあとは、手をかざされたままで通りすがりの人たちにめっちゃ変な目で見られながらおばちゃんと世間話をしつつ30秒ほど座ってるだけで、施術が終了。
はい、これで終了です!
・・・どうです? ラクになりましたか?
まさか本当に肩こりが解消されてたりするのだろうかと思い、半信半疑(というか、9割以上疑った状態)で肩を回したり触ってみたりした結果・・・
当然ながら、僕の左肩に何も変化はありませんでした。
ただ、おそらく極度の緊張状態から解放されたことと、おばちゃんとの会話が思いのほか楽しかったことが要因だと思いますが、少しだけ肩こりがマシになった気がしなくもないなーと感じたので、
えっと・・・
僕はオカルトとか気功とかあんまり信用してないんですけど、なんだかちょっと肩が軽くなったような気がします
おばちゃんは今回の昇格試験のために県境をいくつか越えてやってきたらしく、さらに前回は九州まで遠征してきたそうな。
嬉しそうにお礼を言い残して、おばちゃんは試験会場に向かいました。
正直な話、今回の返答がおばちゃんのためになるものだったのか、僕にはわかりません。
ただ、おばちゃんがヒーラーを志したのにも何かしらの理由があって、今はそれがおばちゃんの心の支えになっているはず。
それならば、何も事情を知らない僕が軽率に否定するものではないと、当時の僕はそう考えたのだと思います。
治癒魔法って本当にあるのか?
おばちゃんの行く末に思いを馳せながらの帰り道、ひとつの疑問が浮かびました。
おばちゃんは何を根拠に治癒魔法の存在を信じているのか?
科学的な根拠があるから?
実際に治癒魔法を目の当たりにしたから?
気になって仕方がなかったのでGoogle先生に聞いてみたところ、「手をかざすことで治癒する」療法は世界各国で広く知られたものだそうです。
その真偽は定かではありませんが、実際に効果があった人がいるから現代まで語り継がれているんだろうなぁ・・・と思うと、「気のせい」とか「嘘乙」とかで一蹴するのも難しいのかもしれません。
(個人的には、やはりプラシーボ的なものだと思っていますが・・・)
僕の左肩に魔法をかけたおばちゃんは、あれからどうなったのか。
立派なヒーラーになっているのか、それとも・・・?
治癒魔法の真偽よりも、数分間のおしゃべりだけで溢れんばかりの人の良さを感じたおばちゃんの今が気になります。