ぱいたんイズム

意識低い系ゲームプランナーが好き勝手にやるブログ

当たりつき自動販売機に秘められた「匠の技」に感動したから聞いてほしい

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どーもこんにちは! ぱいたん(@paitanblog)です。

ゲーム開発の現場で「面白さ」や「遊びやすさ」を高めるべく奮闘する、ゲームプランナーというお仕事をしています。



突然ですが……

街中でよく見かける当たりつき自販機、お好きですか?



そう、アレです。
7777が揃ったらもう一本!みたいなやつです。

僕はこれまで3回ぐらいしか当たったことないですが、飲み物を買うたびに毎回ドキドキしながら楽しんでいます。




さて、普段なにげなく利用している当たりつき自販機。

じつはゲームプランナー目線で見てみると、すごく興味深い仕組みになっていることに気づいて感動しました。



ゲーム自販機

一見すると接点がなさそうに見えますが、どちらもユーザーのことをよ〜く考えて作られたエンターテインメントなのです。


当たりつき自販機の感動ポイントをまとめたので、この記事を読み終えたら、ぜひお近くの当たりつき自販機をチェックしてみてください!

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そもそも「当たりつき自販機」とはなんぞや

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ここまで全人類の常識であるかのように話を進めましたが、「当たりつき自販機ってなんだ?」という人もいる可能性に気づきました。

本題に入る前に、まずは「当たりつき自販機」の基本情報をおさらいしましょう。


見た目

見た目は毎度おなじみ、こんなやつです。

▼こんなやつ
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(画像:ダイドードリンコ公式HPより)


購入の流れ

当たりつき自販機で商品を買った時の大まかな流れは、ざっくり書くと

==============================
① 購入:商品を買う
② 抽選:4つの数字がルーレットのように動く
③ 発表:4つの数字が1つずつ止まり...
     揃わず → ハズレ。
     揃った → 当たり! ④へ
④ 特典:無料でもう1本買える!
==============================

...って感じですね。

ちなみに「無料でもう一本!」の部分は、どの商品でもタダで買えるのかとと思いきや「※○○円以下の商品に限る」みたいな場合もあるっぽい。


当たり判定となる数字の組み合わせ

僕が知る限りでは、この世に存在する当たりつき自販機の大半が

7777が揃ったら当たり!

または

0000〜9999のゾロ目が揃ったら当たり!

のどちらかのパターンだと思っています。
(むしろ、それ以外を見かけた人がいたら教えてください)



つまり、どちらも「ゾロ目が揃えば当たり」というわけですね。
ここが今回のポイントです。

さて、本題に入りましょう。


「ハズレの演出」に注目

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僕が感動したのは、抽選に当たったときではなくハズレの演出方法です。


先日、「ゾロ目が揃ったら当たり!」の自販機でジュースを買ったのですが、残念ながらハズレ。

正確には覚えていませんが、「7426」のようなバラバラの数字が止まりました。



普段ならすぐに立ち去るのですが、この数字の止まり方が気になってしまい、しばらく自販機の前で「なぜバラバラの数字で止める必要があるのか?」と考えました。

数字は4ケタあるのに、この止まり方だと2ケタ目が止まった時点でハズレが確定するからです。



かつて僕はパチンコ開発にも関わっていたので、ドキドキ感を煽って盛り上げる演出、俗に言う「アオリ」の演出をいくつも見てきました。

パチンコでよくあるパターンを参考に、
【まずは「777」まで揃えてから、最後の4ケタ目がどうなるか...!?】
というドキドキ感を出してもいいのになぁ、と感じたんです。




でも、しばらく考えたあとに気づいたのです。

「2ケタ目が止まった時点でハズレが確定する」ことは、決して「最後までドキドキできない残念な仕様」ではない、ということに。



なぜなら、自販機は「外出中のユーザーが、通りすがりにサッと買って、すぐ立ち去る」ことが基本。

ゲームやパチンコのように腰を据えてゆっくり楽しむものじゃないですよね。

つまり!

自販機というコンテンツの性質を考慮して、あえて「2ケタ目まで見れば、最速で結果がわかる」ようにしているのではないか!?という考えに至ったとき、感動の波がブワッと押し寄せました。




「自販機を楽しくしよう」
  ↓
「抽選で当たれば1本無料にしよう」
  ↓
「じゃあルーレットみたいなやつ実装しよう」


ここまでは難しくないとして、そのあとの


「結果発表まで時間かかるから、ハズレなら2ケタ目でわかるようにしよう」



これ!!!

これですよ!!!!



ただ単に「遊びを足したいから、ルーレットを足した!」では作り手の自己満足で終わってしまいます。

ユーザーの求めているものを考えずに自己満足になっちゃダメなのは、ゲーム開発も同じ。

こんなシステム、誰が求めとんねん!っていう新機能を引っさげて大々的に発売されて大爆死するゲーム、たまにありますよね。



その点、当たりつき自販機は演出の豪華さにとらわれず、つつましくも「自販機を利用するユーザー」をしっかりとイメージして仕様が作られていると思います。



より遊びやすく。
より使いやすく。
よりわかりやすく。

専門的に言うならば「ユーザビリティを高める」というやつですが、まさにプランナーとしての腕の見せ所、ストレスフリーなユーザー体験を創出する匠の技というわけですよ!(大興奮)


室内に置いてある自販機はどうなのか

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さて、ここまでは「外出中の利用が主な自販機」ならではのプランナー的工夫について書いてきましたが、屋内の休憩所など「落ち着ける場所にある自販機」はどうなのか?


ちょうど会社のビル内に当たりつき自販機があったので、2回試してみると...



▼1回目
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▼2回目
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これは!!!!

最後までドキドキさせてくるタイプ!!!!


これって偶然なのか、それとも設置場所に合わせて2タイプ用意しているのか?

気になる! 気になる!!!!!

今まで何気なく利用していた自販機に、ここまで心をわし掴みにされる日が来るとは……!


「日常に違和感なく溶け込む」という凄さ

僕の持論ですが、「よくできているゲーム」とは「開発者を意識せずに遊べるゲーム」だと思ってます。

楽しいだけじゃなく、ストレスフリーで、「これ作った人すごいなー」とか考えることもなく、ただただ面白さだけに集中できるように作られたゲームって最高だと思うんですよね。



これ、当たりつき自販機が違和感なく日常に溶け込んでいることとも無関係じゃないと思っています。


ここまで開発者をベタ褒めしておいてアレですが、こういうプランナー的な思考があってこそ、僕たちは「何気なく」「ストレスフリーで」「開発者のことを意識せず」当たりつき自販機を楽しめているのです!


というわけで、当たりつき自販機に秘められた感動ポイントのご紹介でした!

まさに圧倒的ユーザビリティ。
当たりつき自販機を見かけたら、ぜひ一度「ハズレ」に注目して楽しんでみてね!


ちなみに

このルーレットみたいな機能の名前、そういえば知らないな…

と思って調べてみたら




▼直球勝負
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(画像:ダイドードリンコ公式HPより)


そ の ま ん ま ! !! !(゜Д゜)