こんにちは、ぱいたんです!
今回は、僕がゲームプランナーになる前のお話です。
いきなりですが・・・
みなさんはパチンコで遊んだこと、ありますか?
僕はゲームプランナーとして働く前、しばらくパチンコ開発の部署でプランナーをしていました。
ただ、僕は子供の頃からゲーム業界を目指すほどゲームが大好きでしたが、パチンコに関してはまったく興味なし。
パチンコを遊ぶどころか、触ったことすらない状態でパチンコ開発を任されることになったんです。
巷にはパチンコホールが乱立し、一般的に広く普及しているものの、当時の僕にとってパチンコは『未知なる異文化』。
世間的にはダーティなイメージも根強く、僕もパチンコを毛嫌いする人間のひとりでした。
そんなパチンコ業界に飛び込んで気づいた違和感や発見は数多くありましたが、今回はその中でも特に印象深かった『色』に関するカルチャーショックについてのお話です。
赤と青って、どんなイメージ?
世の中には、色に対するイメージというものがあります。
とくに顕著なのが、赤と青。
あなたがブログを読んでいて、赤い文字 と 青い文字 があったとき、それぞれどのようなイメージを抱きますか?
この赤と青という色、多くの場所で対照的なイメージを表すときに使われます。
たとえば信号なら、青は『進め(良い)』、赤は『止まれ(悪い)』を表しますよね。
ゲーム開発においても、『キャラが回復したとき(良い)』は青や緑で数値を表示し、逆に『ダメージを受けたとき(悪い)』は赤で数値を表示するのが一般的です。
そのほか、マップ上でキャラの位置を示すアイコン等も『味方(良い)』は青、『敵(悪い)』は赤を使って表すことが多いです。
このように、一般的には
青=ポジティブ
赤=ネガティブ
というイメージが広く浸透しているので、きっと皆さんも同じような印象を持っているはず。
もちろん色の好みは別として、僕はこの赤・青が持つ『良い・悪いのイメージ』は揺らぐことのない普遍的なものだと思っていました。
しかし、僕がパチンコ開発を初めて1ヶ月も経たないうちに、この赤・青のイメージが覆されることになります。
みんなが赤を求める世界
パチンコの知識が乏しかった僕は、YouTubeなどで既存のパチンコ演出を研究するところから仕事を始めました。
すると、そこで妙な違和感に気づきます。
なんでこんなに赤くてギラギラした演出ばっかりなんや・・・
どの演出を見ても、赤く光ったり、炎が出たり、とにかく画面が真っ赤っか。
不思議に思って先輩プランナーに聞いてみたところ、まさに赤・青のイメージが覆る答えが返ってきました。
あのね、パチンコやスロットの業界では、一般的に赤・金・虹色が『良い(嬉しい)色』なんだよ。
で、緑や青の寒色系は『悪い(残念な)色』という不文律のようなものがあるのさ。
あと、主人公キャラの攻撃やオーラも寒色はなるべく避けてね。
とにかく赤とか派手な色が『良い色』。
考えるな、感じろ。
ふーむ、なるほど・・・。
たまたま僕が見ていた演出は最終的に大当りするものばかりだったので、赤っぽい演出が多かったのも必然でした。
そういえばパチンコで大当りを予感させる演出展開になることを、俗に『アツい』と表現しますが、これも赤のイメージと合致するところがありますね。
『赤がポジティブな色』という新常識。
頭ではわかっていても、はじめはなかなか馴染めず演出仕様の作成に苦労しました。
でも、よくよく考えてみれば納得です。
赤・金・虹などの興奮色が『良い状況を表す色』として扱われるのは、スリルや興奮・高揚感を味わうギャンブルという性質にマッチしていて、とても理にかなった文化だなーと感じました。
たしかに、青ってさみしいとか残念とか弱いとか、ネガティブに使うこともありますもんね。
ちなみに・・・
僕が仕様作成を任されるようになりたての頃、体の色が青、イメージカラーが青という『ザ・青』なキャラが登場する演出を担当しました。
当然ながら、当時の僕は
よっしゃ、青いオーラ出しながらカッコよく登場させて、筐体のランプも青く光らせたろ!
とか考えてたわけなんですが、作った仕様を見てもらった先輩プランナーにそれ大当りする可能性が高い『出たら嬉しい演出』だから、背景に赤い炎でも出して、ランプも赤くしといてよ
と言われたのを思い出しました。いや、そこは青でもいいやん!!
だって見るからに青を使うキャラやん!!
なんとか青っぽいイメージを生かした演出にしたくて先輩と戦った記憶がありますが、結局その演出も最終的に『真っ赤っか』になりました・・・(´・ω・`)ショボーン
ブログを書くときに困った
やがてゲームプランナーに転職し、青が迫害されない世界へと舞い戻った数年後、僕はこうしてブログを書くようになりました。
そこで困ったのが、文字色の使い分けです。
何記事か書いたあとに振り返ってみると、僕は基本的に目立たせたい文字、ポジティブな内容を赤字にしていました。
逆に、残念なイメージの箇所では青字を使っています。
・・・あれ?
これってパチンコ的な感覚じゃね・・・?
この配色、一般的な感覚と合致しているのか?
昔の自分なら、ポジティブな箇所に青字を使うのか・・・?
と考え始めたら、この感覚が妙にむず痒くなってきます。
どうにも気になってしまい、いろんな方のブログを拝見したところ、赤字と青字のどちらをポジティブな表現とするかは人によってバラバラ。
中には、明確に使い分けをされていない方もちらほら。
なお、ほぼ赤字のみを使っているブログでは、単に『派手な色、目立つ色』という扱いで目立たせたいポイントに赤字を使っている方が大多数のように感じました。
ほほー、なるほど。
たしかに青と比較されない環境であれば、赤は『目立つ』というポジティブなイメージがあることに改めて気づかされます。
赤と青の組み合わせだけ見ても、使い方によって印象がまったく逆になるのに、どれも感覚的にスッと理解できるという不思議。
使うシチュエーションによって、あるいは赤や青を単体で使用するかどうかによって、
同じ色でもこんなにイメージが変わるのか〜
と思ってから(というより、改めて気づいてから)、いろんな色を見るのがめっちゃ楽しくなりました。
うーん、奥が深いですなぁ。面白い。
まとめ
今回はパチンコ開発の経験から、赤と青にスポットを当てて、色の持つイメージについて書きました。
色を扱うような仕事をしていない限り、普段はほとんど色のイメージを意識することって無いですよね。
でも、改めて見回してみると、街中には看板・ポスター・広告・床のタイルなどなど、いろんな色で溢れています。
その配色には少なからず意味や意図があって、それを見た僕たちは無意識に心が動かされているんだろうな・・・と、今まで何気なく見ていたモノや景色の見方が変わりました。
(まぁ、このあたりは職業病みたいなものかもしれませんが・・・w)
僕はデザインに関してはサッパリで、難しい理論や配色の知識はありませんが、素人ながらに「色の持つイメージって、本当に奥が深いなぁ」と感じます。
というわけで、今回はここまで。
皆さんも通勤・通学や買い物のついでに、身近なモノの配色に思いを巡らせてみてはいかがでしょうか!
なんとなーく色を意識しながら散歩してみるだけで、世界の見え方が少し変わった気がして、なかなかオツなものですよ(´◡`)