こんにちは! ぱいたん(@paitanblog)です。
先日、同棲中の彼女がなにやら難しそうな本を読んでいました。
もともとマンガや小説はよく読む彼女ですが、今回読んでいた本はビジネス実用書。
普段読まないジャンルの本でした。珍しい。
そんな本、今まで読んだことなくね?と気になって聞いてみると、どうやら会社の人にオススメされたので借りてきたようです。
▼その本がコチラ
タイトルは、『1分で話せ』。
やけに高圧的なタイトルが気になりましたが、最近はインパクト重視で「〇〇したけりゃ△△しろ!」的なタイトル多いですよね。
「話せ!」と言われると、つい「やーだよ!」って言いたくなるヒネクレ者ですが、内容的には僕の仕事にも活かせるものだろうと感じたので、どんなことが書かれているのか読んでみました。
「伝える」って難しいよね
これから読もうと思っている人のために過度なネタバレ(?)は控えますが、本の概要としては「人に何かを伝えるときに重要な話の構成方法や考え方」について、非常にシンプルかつロジカルに、要点を押さえてまとめた本です。
『エレベーターピッチ』という有名なプレゼン手法があって、これは「エレベーターに同乗している人に対して、目的階に着くまでの限られた時間でプレゼンする」というものですが、
この本のタイトル『1分で話せ』も、つまりはエレベーターピッチと同じように「要点をシンプルにまとめて、簡潔に伝えろよ」ということですね。
著者は、伊藤 羊一 氏。
ソフトバンクの孫社長からプレゼンの技術を認められ、現在はYahoo!の企業内大学「ヤフー・アカデミア」の学長を務めながらビジネスパーソン向けの講演を行う、いわば「伝える技術」のスペシャリストです。
そんな超ハイスペックマンである伊藤氏も、かつてはプレゼンが苦手だったそうです。
「もっと簡潔にまとめて」
「話が長い」
「ちょっと何言ってるかわかんない」
こんなこと言われた経験、ありませんか?
僕はあります。
この本は、かしこまったプレゼンテーションの場に限らず、日常会話の中で自分の考えを伝えたり、相手と意思疎通するうえでもポイントになるような「頭ではわかってるけど、なかなか意識できないこと」がまとめられています。
僕が特に「そうだよなぁ・・・」と感じたのは、『人は、あなたの話の80%は聞いていない』という一文。
まさに、その通りだと思います。
だからこそ自分の考えを言語化するだけでは不十分で、相手にちゃんと伝わり、理解され、動いてもらうための伝え方が求められます。
取り扱っているのは難しそうな題材ですが、挿絵や図解もあるため読み進めやすく、「なぜ伝わらないか」をロジカルに説明したうえで「どのように伝えればいいか」を具体的な例文付きで紹介しているのも嬉しいポイント。
営業職だけど、モノを売り込むのが苦手・・・
プレゼンが苦手で、いつもうまく話せない・・・
会話してる間に、結局自分が何を言いたいのかわからなくなる・・・
そんな悩みがある方にとって、この『1分で話せ』は解決に向けての心強いヒント集になるかもしれません。
でも、1つ不満があります
さて、ここまではポジティブな内容で本を紹介してきました。
基本的には「読んでみれば?」とオススメできる本ではありますが、ただ一点、僕が読んでみてもったいないなーと感じたポイントがあります。
それは、著者の伊藤氏が経験豊富かつ伝える技術を磨きまくっていることで、逆に伊藤氏が持つノウハウのすべてを書き切れていない感があるところです。
伊藤氏のスペックは疑いの余地なく高いし、自身の経験や知識を惜しげもなく書籍化していることだろうとは思いますが、おそらく本の中で紹介されている手法の他に、もう一歩踏み込んだテクニックや考え方を実践しているはずで、そこが無ければ困る読者も多そうだと感じたんです。
最初は意識的にやっていたことでも、いつの間にか当然のように無意識でやってる...みたいなこと、ありますよね。
たとえば、世界最速の男と呼ばれるウサイン・ボルトに
「どうやったら早く走れますか?」
と聞いたとして、
「しっかり腕を振って、足の回転を早くするんだ。 あと、スタートダッシュがめっちゃ大事。」
と親切に教えてもらえたとします。
知ってる。
・・・ってなりますよね。
それと同じく、『1分で話せ』で紹介されている技術やロジカルな思考法はたしかに重要だし意識しておくべきですが、あくまで押さえておくべき基礎的なマインドが主です。
そのマインドを生かすための道筋や応用方法については深く書かれていないため、読む人によっては
「そんなことはわかってる」
「その先に進めないから困ってるんだ」
という感情を抱くこともあるだろうというのが、率直な感想です。
間違っても「これさえ読めば、俺のプレゼン能力も一気に爆上げだぜ!」という本ではないため、読むときは「人に何かを伝えるときにすごく大切だけど、うっかり見落としがちなポイントに改めて気づける本」という位置付けで、それをもとに伝える技術を丁寧に磨きなおすキッカケとしていただく読み方をオススメします。
「伝え方」を学べる実用書はありがたい
僕はゲームプランナーという職業柄、人に何かを伝える機会がめっちゃ多いです。
なので、プレゼンのノウハウをはじめとした「伝える技術」については、日頃から意識的にアンテナを張って知識を蓄えるようにしています。
ただ、「伝える技術」って「コミュニケーション能力」と似たようなもので、学校で教えてもらえるような内容でもないので、人との会話の中で感覚的に学び取っていくしかないのも事実。
じゃあ独学しか無いのか?という話になりますが、そんなときに『1分で話せ』のような先人の知恵を手軽に得られる本があれば、すごく役立ちます。
僕は主にネットで情報収集していますが、少し前に話題になった『伝え方が9割』という本は、伝える技術を高めるにあたって非常に参考になりました。
(しかもめっちゃ読みやすい。ここ重要。)
『伝え方が9割』は『1分で話せ』と違ったアプローチの本で、「簡潔に伝える方法」というよりは「表現(伝え方)を少し変えるだけで、同じ内容でも相手に与える印象がこんなに変わるよ!」という本です。(超ざっくり説明)
実用的でありながら、言葉のマジックというか「なるほど!たしかに!わかるわかる!」の連続というか、普通に読み物として楽しめる良作です。
こちらも合わせてオススメしておきます。
伝える技術は、仕事だけでなく日常生活でも大切な技術のひとつです。
伝える技術があるだけで、人生が少し豊かになるかもしれません。
伝える技術が足りないばかりに、余計なケンカがひとつ増えるかもしれません。
なのに、その技術を学ぶ機会は思いのほか少ないものです。
もし、あなたが人に何かを伝えたいなら、あるいは伝える技術の磨き方がわからずお困りなら、今回紹介した本をヒントにしていただければ幸いです。