5/27〜5/28の2日間、「ARMS オンライン体験会 のびーるウデだめし(以下、体験会)」が開催されました!
この体験会は、ニンテンドースイッチを持っている人なら誰でも、6月16日の発売に先駆けて「ARMS」をプレイできるという、スーパー盛り上がること間違いなしのイベントです。
各日、9時 / 21時 / 27時 の1日3回、1時間ずつ開催され、ほかのユーザーとのオンライン対戦が楽しめる!というものでした。
先日、激闘の末に念願のスイッチを手に入れた僕も、もちろん体験しましたよ!
結論から言うと、めっちゃ面白い!
僕自身、もともと格闘アクションが好きなこともあり、非常に発売が待ち遠しいタイトルです。
あと、なんかテーマ曲がSuperfly感があって妙にかっこいい。
歌詞も「おおおおおおおーおおー」という作詞前の状態みたいな曲なのに、キャッチーで耳から離れず、気づけばついつい口ずさんでしまう。
ゲームは面白く、曲もいい。
最高じゃん。
ただ、今回の体験会で実際にプレイして、面白さだけでなく「おや、これは・・・?」と少し不安を感じる危うさも同時に感じ取りました。
僕が体験会で感じた面白さと懸念、それぞれご紹介します。
ARMSとは
まずは、「ARMS」というゲームについて軽くご紹介を。
「ARMS」は、任天堂から6月16日に発売されるニンテンドースイッチ用の格闘アクションゲームです。
最大の特徴は、登場するキャラクター全員が「のびーるパンチ」を繰り出せること。
伸びます。
めちゃくちゃ伸びます。
これにより、格闘アクション、かつ肉弾戦主体でありながら、すべての攻撃が武器や飛び道具を使って攻撃しているような操作感になっています。
さらに、Joy-Conを左右の手で「いいね持ち」し、プレイヤー自身がパンチを繰り出すように腕を振ることで、ゲーム内のキャラもパンチを繰り出します。
これは前世代機のWiiUゲームパッドにはできない遊びであり、もうひとつ前の世代のWiiリモコンが目指した遊びの系譜を継いだ作品といえるかもしれません。
ARMSの面白さ
立ち回りの駆け引きが最高にアツい!
異色格闘ゲームであるARMSにも、格闘ゲームでおなじみの「打撃・ガード・投げ」という3すくみは健在です。
打撃はガードで防げるが、
ガードしていると投げをくらうので、
投げに打ち勝てる打撃をぶつけて・・・
という読み合いや駆け引きを生む、格闘ゲームの醍醐味になるやつですね。
さらに、この基本の3すくみに加えて、ARMSでは
- アームの選択
- 打撃と打撃の相性
- 左右の腕の管理
という3点が、独自の駆け引きを作り出しています。
それぞれ、以下で説明していきますね。
アームの選択
まずは、独自の面白さの中核になるアーム(武器になる腕)の選択。
ARMSでは、キャラクター自体の性能差(2段ジャンプ、スーパーアーマーなど)のほかに、キャラの左右のアームを自由に組み合わせることで、自分好みのキャラカスタマイズが可能。
これにより、同キャラ戦でもまったく違う戦い方が可能になるほか、上級者同士の戦いになれば相手の戦闘スタイルに合わせて武器を変える・・・なんていう駆け引きも生まれてくることが予想されます。
アームは、左と右とで違うものを組み合わせるのはもちろん、左右が同じでもOK。
今回の体験会では1キャラにつき3種類のアームが用意されていました。
製品版ではゲームをプレイするうちに使えるアームが増えていき、自分の好きな3種類を選んで、バトル直前に決定することになるようです。
カードゲームでいうところのデッキ構築とか、ポケモンで手持ちを6匹選ぶみたいなもんですね。
打撃と打撃の相性
キャラクタにどのアームを付けるか・・・というところで大事な判断基準になるのが、アームの「軌道」と「重さ」です。
アームには、マジックハンドのようにビヨ~ンと伸びて殴るものから、ブーメランのように弧を描きながら飛ぶもの、ゴムボールのようにボヨンボヨンとバウンドするものなど様々な軌道が設定されています。
左右のアームは、それぞれ別々のタイミングでパンチを繰り出せるので、使いやすい素直な性能のアームと、相手の虚をつく軌道のアームを時間差で伸ばして奇襲を狙う・・・というのが、しばらくは王道の戦い方になると思われます。
そして、ここで重要になるのが「相手のパンチに自分のパンチをぶつければ、パンチを撃ち落とせる」という仕様です。
そう。
このARMSというゲーム、ただ単にガードするだけでなく、あえて相手のパンチを攻撃することでも自分の身を守ることができるのです。
さらに、「攻撃をガードし続けると腕にダメージが蓄積し、一定量のダメージが蓄積するとアームが壊れてしばらく行動が制限される」という、俗にいうところのガードクラッシュ仕様が、この「撃ち落とし」という行動をより重要なものにしているわけです。
そこで、今度はアームの「重さ」が絡んできます。
さきほどの「撃ち落とし」には「重いアームは軽いアームを弾き飛ばす」というルールがあるため、奇襲なんてせずに真っ向勝負で相手を正面からゴリゴリ粉砕するというザンギエフ的な戦い方もできるのです。
これだけ読むと「なんか複雑そうだなぁ」「覚えること多そうだなぁ」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
僕も、最初はそう思いました。
しかし、そこは実際にプレイしていれば感覚的に察することができるようになっていますし、はじめは複雑なことを置いておいて、のびーるパンチでシンプルに殴り合いをしているだけでも面白いものですよ。
左右の腕の管理
最後は、ある程度ゲームに慣れてきた人向けのオモシロ要素、左右の腕の管理。
ここまで紹介してきたとおり、本作におけるキャラの「腕」は攻撃も防御も一手に担う重要なものです。
しかし、本作最大の特徴である攻撃方法「のびーるパンチ」には、一度伸ばした腕は戻ってくるまで再使用できないというリスクが潜んでいます。
そのため、調子に乗って左右の腕を伸ばしていると、両腕が伸びた状態・・・すなわちガードができない状況が簡単に生まれてしまうわけです。
両腕が伸びている状態だとガードはおろか、相手のパンチを撃ち落とすこともできず、そもそも攻撃すらできない。
まさに丸腰の状態になるのです。
さらに、両腕を同時に伸ばすことで繰り出せる「投げ」は、ガードを固める相手には有効ですが、なんと片腕のパンチに撃ち落とされてしまうのです。
こちらが両腕を伸ばして、相手の片腕パンチに撃ち落とされる。
相手には、まだ腕が1本残っている。
つまり、大ピンチになる。
・・・というわけで、
ここで重要になるのが左右の腕の管理です。
攻撃、ガード、投げ、撃ち落とし・・・などの行動から、刻一刻と変わる試合状況の中で最良の一手を選びたい。
使える腕は、最大2本。
両腕をバラバラに伸ばして攻勢をかけるか、相手の攻撃に備えて片腕を使わずに温存するか、カウンターのチャンスを狙って両腕を温存するか。
自分が伸ばした腕は、もうすぐ戻ってくるか?
相手の腕は伸びているか?
次の攻撃は片腕でいくか、両腕でいくか・・・?
画面に映る試合状況をよく見て、的確な判断を下していく。
2本の腕を、いつ、どう使うかの采配・戦略が、ARMSの立ち回りにおける面白さ、そして「ウデの見せ所」になるのは間違いありません。
(画像:Nintendo Direct 2017.4.13 より)
ARMSの懸念
ここまでは、ARMSの面白さについて書いてきました。
正直、このゲームめっちゃ面白いです。
しかし、ここからはARMS体験会で僕が感じた不満や、本作が抱える危うさについてご紹介します。
1対1以外の対戦形式が残念
通信対戦時、ロビーに集まったプレイヤーたちは自動でマッチングされます。
ここで、自分と同じグループとしてマッチングされた人数によって、対戦形式が抽選されます。
- マッチング2人
- バトル(1vs1)
- バレーボール(1vs1)
- マッチング3人
- バトル(1vs1vs1)
- マッチング4人
- バトル(2vs2)
- バレーボール(2vs2)
上記5つの対戦形式のうち、「バトル(1vs1)」は超面白い。
だが、それ以外が本当に遊びにくい。
特に「バトル(1vs1vs1)と「バトル(2vs2)」は画面がワチャワチャと賑やかで、パーティゲーム感があるため楽しそうな見た目ですが、実際に遊んでみると
「えぇい、もういい! 1vs1をさせてくれ!!」
となってしまいました。
遊びにくさの原因としては、主に2つ。
ひとつは、投げを含むすべての動作中、自キャラが無敵ではないこと。
もうひとつは、視界(=画面)にすべての対戦相手を捉えにくいこと。
これにより何が起こるかというと、
「ガードしている敵Aに投げを仕掛けたと思ったら、敵Bに殴られて投げが中断される」
「隙を見せた敵Aに超必殺技を発動したら、敵Bに殴られて超必殺技が中断される」
・・・など、とにかく自分の行動が簡単に邪魔されまくってしまい、気持ちよくキャラを動かせないのです。
ガードに対する有効手段である投げも、動作完了までにおよそ2~3秒ほどかかります。
この投げ動作が完了するまではガードができず、無防備に隙を晒し続けるのと同じことなので、よほどターゲット以外の敵との距離が開いている状況でなければ、「投げ=自ら攻撃のチャンスを与える行動」になってしまうのです。
つまり、実質「投げ」という選択肢が死ぬうえ、そもそも後出しジャンケンしてくる敵がいる時点で3すくみもクソも無いわけです。
僕がプレイしていた時も、
自分が敵Aを投げる ⇒ 投げ終わりに敵Bに投げられる ⇒ 投げ終わりに敵Bが敵Aに投げられる・・・(以下、誰かが死ぬまでエンドレス)
といった投げ合い(という名の、隙の晒し合い)になることもありました。
そして、特に「1vs1vs1」にありがちな展開として「敵Aと敵Bの間に位置取ってしまい、どちらか片方が絶対に視界に入らない」という問題があります。
長距離の移動がそこまで素早く行えない本作では、この状況から脱出することも難しく、「とりあえずこいつを先に倒しておこう」というターゲットにされて前後からボコボコにされます。
パーティゲームとして盛り上がるワチャワチャ感というより、ただただ雑な展開になってしまうゴチャゴチャ感という印象が強く、ストレスフルなのが非常に残念。
最終的には「敵Aと敵Bが殴り合っているのを遠くで見守り続ける」という、めちゃくちゃ消極的で面白くない戦い方が一番勝ち星を稼ぎやすいことに気付いてしまい、なんとも言えない気持ちになりました・・・。
せっかくメインコンテンツである1vs1が面白いだけに、ここはぜひ発売後のパッチ等で対策・改善されることを願います。
「いいね持ち」への適応
公式に推奨されている、Joy-Conの「いいね持ち」。
ですが、まだまだ馴染めていないプレイヤーも多いと思います。
いいね持ちの難しさは、ロボットの操縦桿を思わせる操作性と、パンチを繰り出すときにWiiリモコンと同じような感覚で振るとイメージ通りに動かないこと、この2点だと思います。
前者で自キャラの移動とキーアサインの把握が難しく、後者でパンチの狙いを思うように定められない・・・というところで「いいね持ち」でのプレイに限界を感じた人も多いのではないでしょうか。
これに関しては慣れの問題もあるので、ゲームに対する不満というよりも、多くのプレイヤーが面白さを最大限享受する前にゲームから離れていってしまうのではないか・・・と懸念している内容です。
ネット上では、Proコントローラーでの操作のほうが楽だ、という声も見かけます。
その場合、移動はスティック操作になるのでわかりやすいですし、パンチを繰り出した後にスティック操作でカーブをかけることもできます。
いいね持ちにこだわらないのであれば、Proコントローラーを使う、あるいはスイッチを携帯モードにして遊ぶなども検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
なんやかんや書きつつも、やはり1vs1の駆け引きは最高にアツいし、直感操作とポップな世界観は間口も広そうで、新作対戦格闘として期待されるハードルをしっかりと越えてくる面白さだと思います。
独特の操作に慣れるまで少し時間がかかるとは思いますが、ぜひとも多くの人にプレイしてほしいゲームです。
対戦格闘の華は対人戦。
そして、通信対戦ゲームのキモはプレイ人口。
つまり、そういうことです。
今回の体験会でARMSの面白さに惹かれ、「ARMS、みんなで盛り上げていこうぜ!」 ということが伝えたくて、こんな記事を書くに至ったわけです。
さて、次回の「のびーるウデだめし」は、6月3日(土)・4日(日)の2日間!
ニンテンドースイッチをお持ちの方は、ぜひぜひ体験会で一緒に熱くなりましょう!